審神者日和

とうらぶから刀剣鑑賞にハマった審神者ナカアキのブログ

【2015年9月21日】石切劍箭神社

 この記事は2015年9月21日、石切劔箭神社大阪府東大阪市)で公開された太刀 銘 有成(石切丸)、太刀 折り返し銘 宗近(小狐丸)を観賞した際のレポートとなります。

 

  石切劔箭神社は祭神として瓊々杵尊(ににぎのみこと)の兄、饒速日尊(にぎはやひのみこと)とその御子、可美真手命(うましまでのみこと)の二柱をお祀りしています。神社の鎮座の由緒は、足利時代末期に戦火を被り、社殿および宝殿が焼失したため明らかではありません。ただ、延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』にはすでに記載があり、延喜元年(901年)に成立した『日本三大実録』には貞観7年(865年)9月には、社格の昇格(正六位から従五位)が記されているとのことです。

 

  石切劔箭神社(石切さん)  (公式サイト)

 

 

  石切劔箭神社は例年春と秋に大祭を執り行っており、大祭期間中は穂積殿宝物館で神宝が一般公開されています。穂積殿は昭和60年に竣工し、今回(2015年9月)に30周年を迎えることから、御神宝や穂積殿建設の折に出土した法通寺の遺構・出土品を紹介する図録が出版されました。

  これに合わせて(と思われる)、9月20~23日の期間中穂積殿が特別公開されることを知り、せっかくなのでひとっ飛びしてまいりました。

 

  仙台から大阪までは飛行機で、伊丹空港からあれこれ乗り継いで東大阪市の、その名も「新石切駅」で下車。

  境内に入ると人混みがすごいですね。以前お参りした熱田神宮と同じく、地元のお宮さんという印象。慕われているんだなぁ...

 

 

 

  参拝後、穂積殿へ。こちらも長蛇の列。

  館内は写真撮影不可なので、入口で購入した図録とクリアファイルのお写真をば。

 

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  公開されていた刀剣について。この記事の作成(2016年10月)より1年以上経ってしまったため、当時の感想より図録を見た印象を多分に含んだ所感になりますが、ご了承ください。

 

  太刀 石切丸は、三條有成の作品で現存する確実なものとしては日本唯一の一振りとのことです。また、石切丸の前の主とされる源義平(悪源太)とこちらの太刀が同一かは定かではないとのこと。ゲーム中の石切丸は大太刀ですが、こちらも刃長二尺五寸一分(約76.1cm)、全長三尺三寸(約1m)でそこそこ大きかったです。まっすぐと伸びた刀身に腰折れ。

 

  太刀 小狐丸は三條宗近作で、少し短い刃長一尺七寸七分(約53.8cm)のため小太刀と呼ばれることもあるようです。中鉢美術館の古い太刀を見慣れているからか、個人的にはこの小狐丸の方が「平安刀」としてしっくりきます。

 

  他に展示されていた刀剣は、脇差信濃大掾藤原忠國、太刀 小烏丸写し(月山貞勝作)、短刀 銘 来国俊。

  信濃大掾藤原忠国(國)は因幡鳥取)の刀工で、初代は忠「国」、二代・三代は「國」と銘を切ることから、こちらで所蔵の脇差は二代か三代のものと思われます。華やかな互の目乱れが美しい一振りです。もう一度見に行きたいなぁ。

 

  ひとしきり展示品を観賞した後は、うわさの「すずや 石切神社前店」へ。店内外は同志のお歴々で溢れかえっておりました。

 

 

  ところで、こちらのお店(石切神社前)の他に石切不動明前もあるようで。こちらもぜひ訪ねてみたい。

 

  御食事・甘味処 石切丸  すずやからのお知らせ