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審神者日和

とうらぶから刀剣鑑賞にハマった審神者ナカアキのブログ

【2017年4月30日】日本名刀展第一部「見どころ学べる!目で観る刀の教科書」展(致道博物館)

 この記事は致道博物館(山形県鶴岡市)にて2017年4月29日より開催中の『日本名刀展第一部「見どころ学べる!目で観る刀の教科書」展』に参加した際のレポートです。

 

 

 

 

 期間中は名物 信濃藤四郎(致道博物館蔵)が公開されるほか、日本刀剣博物技術研究財団管理コレクションを中心とした企画展となります。また、5月27・28日には短刀 号 五虎退(上杉博物館寄託)が、6月3・4日は名物 乱藤四郎(ブレストシーブ社蔵)がそれぞれ特別展示されるとのこと。

 

 さらに今回も致道博物館と「刀剣乱舞-ONLINE-」のコラボレートを展開。期間中は出羽庄内藩城下町スタンプラリーや、おっきいこんのすけ一日館長といったイベント、前回に続いて周辺協力店舗によるコラボメニュー提供など、気合が入ってますな。

 
 同館での昨年度の展示『SAMURAIの美 出羽庄内藩酒井家ゆかりの名品』を鑑賞した際のレポートは、以下の記事2つをご覧ください。

saniwanakaaki.hatenablog.jp

 

saniwanakaaki.hatenablog.jp

 

 

 というわけで、展示2日目にお邪魔してきました。

 朝イチの高速バスに飛び乗り、10時前にエスモールバスターミナルに到着。今年4月に改装したようで、キレイな建物の中にベンチとTVモニター、有人カウンターにドトールまで併設しています。便利になったなぁ。 

 

 

 エスモールから徒歩10分ほど。まずは 荘内神社へお参り。境内の桜と椿が見ごろでした。

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 前回より撮影道具増えてる!

 

 

 今回はスタンプラリーも開催されており、こちらもスタンプ設置施設となっています。早速冊子をいただき、押印しました。

 

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 だ、大失敗ー!? インクが濃すぎて、なんか闇落ちみたいに見える><

 

 

 

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 ...気を取り直して、致道博物館を目指します。鶴岡はちょうど花盛りでしたね。

 

 道中、大寶館(だいほうかん)でもスタンプをゲット。こちらは前回立ち寄らなかった施設ですが、 擬洋風建築の外観がステキな建物です。

www.mokkedano.net

 

 館内は鶴岡出身、あるいは活動の拠点としていた著名人の遺品などが紹介されています。中でも文豪・高山樗牛(たかやま ちょぎゅう)に関する資料が多く、その生家が館内の一角に再現されていました。

 ちなみに高山樗牛は旧制第二高等学校(仙台)に在学しており、この頃「樗牛」の号を使い始めたとのこと。仙台市内には彼にちなんだ「瞑想の松」が残っています。松を見に宮城においでよ。

 

 

 

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 博物館に到着。スタンプをサクッと押して、展示室へ向かいました。

 

 なにせ今回は展示本数が多い! そして前回のような図録がないので、鑑賞してはメモを取り、キャプション読んではメモを取り... と亀の歩みで進まざるを得ない。それでも、ルーペ設置されていた二振りはタイミング悪くてまったく鑑賞できませんでした(沸と匂の鑑賞用)

 

 2階に上がってすぐ、展示室前のケースには拵が2点展示されていました。

〇 変り塗打刀拵(越前康継の拵):江戸後期

同田貫藤原正国薙刀拵:江戸前

 正国の薙刀刀身は室内に展示されています。

 

 そして室内ですが件数が多いので、当日とったメモ(展示目録含む)を羅列してご紹介します。11時頃に入って、展示1周した辺りで13時過ぎてました...

 前半は「刀の教科書」と銘打って、鍛え肌、刃文、姿の変遷が分かりやすく解説されていました。毎度のことですが、見慣れている「つもり」の目にありがたいですな。

 

1. 寸延び短刀 国光、正国合作:昭和

 いきなりインパクト強いのがきました。下図の刀身の範囲(広い方)にわたり、板目と杢目が肌立ってバキバキ、ぐるぐるとしていて皆焼のようにも見えます。水戸で見た烈公の八雲肌のぐるぐるに通ずるものがあるけど、あれよりも鍛えが前面に出ている印象。バキバキ。

 

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 昭和の頃の国光、正国とは誰だろうと調べてみたところ、こちらの作者が近いように思いました。師弟で合作ということでしょうか。

 

>河野国光は左国光とも切り本名は河野誠、河野貞光の父で福岡県京都郡犀川町在住。
正国の本名は吉原正杜真、福岡県福岡市大牟田住、河野国光の弟子

(下記リンク先より引用)

刀 左国光弟子正国合作之 於清流今川畔(河野貞光の父 左国光) 辛亥年向夏吉日1710-1038|日本刀 刀剣販売 e-sword【イー・ソード】

 

 

2. 脇差 銘 近江大掾藤原忠広:江戸初期

 小糠肌

 

3. 脇差 銘 奥州月山作:戦国時代(大ざっぱだなぁ...)

 綾杉肌、互の目乱れ

 

4. 脇差 無銘 則重:鎌倉後期

 松皮肌(則重肌とも)、直刃に互の目交じり。こちらも血管のように肌がバキバキ。

 

5. 刀 銘 上総守藤原宗道:江戸初期

 柾目肌、皆焼刃

 

6. 刀 銘 仙台国包:江戸初期

 まさかの東北刀。国包を見に宮城においでよ。

 柾目肌。銘は□□房国包と読める。江戸初期とはあるが、初代や三代目(源次郎)ではあまり見ない銘のような気もする。

 

7. 沸出来の刀?(未鑑賞)

8. 匂出来の刀?(未鑑賞)

 

9. 太刀 銘 安綱:平安

 いい肌!としかメモを取っていないw 見てて落ち着くタイプの古刀だった思い出。

 

10. 刀 銘 正恒:平安中期

 「刀」はキャプションママ。丁子乱れ、額銘。

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11. 太刀 銘 行正:平安後期

 この時代の行正は千手院(山城)、波平(薩摩)にそれぞれいることが知られているが、どちらなのかは不明とのこと。

 

12. 刀 銘 豊後行平:鎌倉前期

 樋を2本掻き流す

 

13. 刀 折返銘 備州長船住元重 金象嵌銘 見返(以下略):鎌倉後期

 キャプションに解説がなかったように記憶していますが、こちらは以前まで酒井家所蔵だった一振りですね。信濃藤四郎とともに、昭和61年(1986年)に盗難の被害に遭った刀剣の内の一振りです。藤四郎は平成元年(1989年)に致道博物館へ戻ってきましたが、見返り元重はブレストシーブ社所蔵となっているようです。

 現状を考えると複雑だけど、久し振りの里帰りですね。

 

14. 太刀 銘 正宗 金象嵌銘 道芝之露 於大阪城 下賜 真田幸村

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 大「阪」城... うーん。

 

15. 短刀 銘 左(筑州住):鎌倉後期

 

16. 脇差 銘 宝寿:室町前期

 国包に続いて東北の刀。刀身には三鈷柄剣の彫

 

17. 刀 無銘(兼光):南北朝

 

(この間に五虎退用の刀掛け。当日はもちろん空でした)

 

18. 刀 銘 月山正信作 裏銘 永正二年八月吉:戦国時代中期

 平造、身幅広く大振り。おら好みの物騒なスタイルでござった。

 

19. 短刀 銘 吉光(名物 信濃藤四郎)

 前回も鑑賞に苦労したけど、本当にキレイ。青く見える視点は結構低めなのかな、腰がつらい。特別展示の際、五虎退、乱藤四郎とそれぞれ見比べてみたいけど、そんな余裕あるのか非常に心配である。 

 

 後半は妖刀村正の特集と、新刀・新々刀を紹介。どの辺の層を狙ったものか分かりやすいですね、ははは。

(この辺りから年代のメモが抜けています。面倒くさくなったんだな)

 

 ちなみに、ウィキペディア『村正』によると、

>村正は徳川領の三河に近い伊勢の刀工であり、三河を始めとする東海地方には村正一派の数が多く、村正一派の刀剣を所持する者は徳川家臣団にも多かった。三河に移った村正一派を「三河文珠派」と呼ぶ。たとえば徳川四天王の一人、本田忠勝の所持する槍「蜻蛉切」には、村正の一派である藤原正真の銘が残っている。また、四天王筆頭であった酒井忠次の愛刀(号 猪切)も藤原正真の作である。

とのこと。一個人でなく刀工集団の銘なんですな。

 

20. 短刀 銘 村正 号 群千鳥(むれちどり)

21. 短刀 銘 村正 千代万年(二代)

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22. 刀 銘 勢州桑名住藤原村正作(2代目)

 

23. 刀 銘 勢州桑名住藤原村正作 銀象嵌梵天

 

24. 刀 銘 平安城長吉 号 倶利伽羅長吉

 長吉は村正の師ですな

 

25. 短刀 銘 藤原正眞

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26. 脇差 銘 三条長吉作

 平安城長吉と同人。無垢鍛え、板目に柾流れで肌立つ。互の目に皆焼調で、見ているとざわざわする感触。

 

27. 槍 銘 正重

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 規則的な丁子乱れ。心の中ではウサ耳呼ばわりしてました。

 

28. 刀 銘 長曽祢興里入道虎徹

 

29. 刀 同田貫上野介(正国) 加藤清正所用

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30. 薙刀同田貫正国

 

31. 刀 銘 清光

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 加州茎という言葉を初めて聞いた。茎尻のことでしょうか。 

 

32. 刀 銘 陸奥守吉行

 

33. 脇差 銘 大和守安定 金象嵌銘 袖の雪三ツ胴二度落

 裁断銘は「三つ重ねの胴体を二度斬った」との意。二度落ちて死ね(もう死んでいる

 

34. 刀 銘 国廣

 

35. 刀 銘 兼元 号 二念仏兼元

 高い丁子乱れ。号は「斬られた相手が二度念仏を唱えて死んだ」との意。早いのか遅いのか、どっちなんだ...

 

36. 刀 銘 □州會津住兼元

 柾目肌、地沸がよくつき(くっきり見えます)沸出来

 

37. 刀 銘 清麿 号 叢雲

 太刀?大刀?ってほどにデカい。そして大切先。板目肌に杢目交じり柾流れ、飛び焼きが見られる。互の目丁子乱れ

 

38. 刀 銘 羽州大泉住豊前守藤原清人:明治

 藤原清人(きよんど)は清麿の弟子

 

39. 刀 銘 以南蛮鉄於駿州越前康継濃州所生藤原藤野小刑部自珍

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 メモにある通り、付属のハバキがすごい。外した上で裏も見えるように鏡が設置してあります。表はおそらく烏天狗、裏は不動明王の背後にあるような炎。修験道と関わりあるのかしら。

 

 という訳で、鑑賞できた刀について一通りご紹介しました。正直、見返り元重はもっとじっくり見てやりたかったなぁと後悔。期間中、もう一度行こう。

 今回の推しは4番の則重と、9番の安綱、18番の平造の月山、26番の三条長吉。そしてもちろん、信濃藤四郎さん! いつまでも眺めていられるわぁ...

 

 

 鑑賞を終えて1階でお土産を購入後、ようやく昼食です。本日は博物館そばの「Zupperia荘内藩しるけっちぁーの」さんでいただきました。

 

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 今が旬のふき味噌にウドの酢味噌和え、そして孟宗汁(*´ω`*)

 んだがら筍には目がないんだってー!

 

 

 腹ごしらえをすませ、残すはスタンプラリー任務です。

 

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 博物館から徒歩5分ほど。致道館に着きました。こちらが致道博物館の由来と言えばいいでしょうか。

 文化2年(1805年)、庄内藩7代藩主・忠徳公により、現在の鶴岡市日吉町に創建されました。その後文化13年(1816年)に8代藩主の忠器の代に、現在地である鶴ヶ岡城三の丸曲輪内に移された。つまり、この辺りも城内だったということですね。当時はさらに広大な敷地を持ち、現存する建物のほか、舎生の寄宿する本舎や武術の稽古場、矢場や馬場まであったそうです。

 

 館内には致道館で編集、印刷された教科書とその版木が展示されているのですが、これがすごくきれい。文字は流麗で版木もいたって健全な状態で、両面に彫られている版木もちゃんと残っています。舎生の詩作などが記された日記のようなもの(課題なので提出物)も展示されており、往時の研鑽の日々が偲ばれます。

 

 そしてここには、

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 前回は博物館の売店わきにいて見落とされがちだった信濃君のパネル。今回はこちらにいますよー。背景の金屏風がいい感じに写真への効果を出すのか、ちょっと得意げ?

 

 もちろん、ここでもスタンプを押して

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 かんせ~い! 

 ...1つ足りない? まぁ、細かいことは気にするな。

 

 こちらのスタンプラリー台紙を持って、引換所で結びの品をいただきました。中身は短刀 名物 信濃藤四郎の刀身ポスターでした(おそらく原寸大)

 

 帰りのバスの時間までは市内探索。前回時間切れで行けなかった旧風間家丙申堂を訪ねました。ここも雰囲気大変よろしいですねぇ。

 

 建物や花のお写真撮ったり、駅前まで戻って青森屋のフルーツタルトをいただいたりして、残りの時間をのんびり過ごしました。

 

 

 

 

 

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 お土産のうち、清六ファームのドライフルーツ シャインマスカットを、この記事を書いている最中につまみ食い。うん、濃厚な甘みがじんわり広がっておいしい。

 

 

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 しなの君タオルもお洗濯しました。フカフカです。これからよろしくね。